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「神話の子供たち」
2006.01.03 |Category …旧棚入り
如何に本好きとはいえ世に流布する書籍の全てを読むことは不可能。
まして自分は漫画がメインなので、知らない小説のなんと多いことか。
なので、目利きの方からお奨め本をお借りできるのは大変に嬉しい。
ある人々はこれを補完計画と呼ぶ。
…すごく嬉しいんだけど、補完が成された暁には世界が滅ぶのでしょうか(爆)
前置きはともかく。少々真面目に感想文を。
「神を喰らう狼」「隻腕のサスラ」「片翼で飛ぶ鳥」「おまえが世界を変えたいならば」
シリーズ名「神話の子供たち」と銘打たれた榎田尤利著の4冊。
1冊目「神を喰らう狼」序盤から、きめ細やかな描写が胸を打つ。無垢な瞳に映る世界の美しさよ。目に映るもの、聞く音、肌に触れるもの、全てが物珍しく楽しく幸せである小さな世界。おそらくその先に待ち受けているであろう不安な世の中との対比を思うと哀しい。それが暗示により固く閉ざされた世界ならば一層。幸せな生活の描写の中に徐々に折り込まれていく疑問。そして小さな世界の崩壊。否応なく痛みの中に引きずり出される幼年期の終わり。
クローンの存在意義、管理された都市、選ばれた市民、打捨てられた汚染地域に住む非市民、サイ(psy)能力者、レジスタンス、救世の「運命の少女」…モチーフだけを並べると使い古されたものとも言えるが、類似の命題を使っていても、きちんと作者の色が出せる人なのではないかと思う。文体も丁寧で、小さな描写を上手く挟んで情景が浮かびやすく読みやすい。以後の展開もとても気になる。最新刊(5冊目)も出たばかりのようだし、買おうかな。
(どうでもいいが、偉そうな感想文だ…<自分)
「人」の「夢」は「儚い」と言うが、「幸」に「人」が介在する「倖」にも、ささやかだったりおもねるとかの余分な意味が付随したりする。「人」と成ることは不幸だろうか?
そんなことはないよと言ってくれるフィクションを、いつも待っている。
正月の晴れあがった空。子供たちの歓声がこだまする。
「そうね 本当に 世界はすばらしいわ」(by 遠藤淑子「ヘヴン」)
修正:あれ、神話の子供たち最新刊て5冊目だよな…?と見返してみると3冊目「片翼で飛ぶ鳥」を抜かして表記してました。ちゃんと読み終わってるのにorz 大変失礼しました。
無題
自分ではいくら言葉を尽くしても語りきれない気持ちが
サラリと的確に述べられているのには感嘆します。
こんなに素敵な感想をアップしていただいて,お薦めした甲斐がありますわ(^^)
…補完計画が完成したら…新たな世界の扉が開くんじゃないんでしょうか(爆)
無題
お薦めありがとうございました~(^^)
けど、過分なお褒めの言葉は照れます~((^^;
実際、言葉が足りないなぁと自分も思います。いいと思う気持ちが強いほど。「いいから読め」で済ませたくなる。レビューって難しいですね(^^;
…新たな世界の扉の向こうには…また扉があるに違いないっ(爆)
無題
ちっとも過分じゃないわ(^^)
>>いいと思う気持ちが強いほど。「いいから読め」で済ませたくなる。
同感です。自分の中に湧き上がってくる気持ちに見合った言葉を
必死で探そうとするのですが、なかなかうまくいきません(^^;
あ、なんだったら4巻送りますよ~(笑)
す~っごくオススメなキャラも登場したので(爆)
無題
> す~っごくオススメなキャラも登場したので(爆)
はい、そう聞いたのでなおさら楽しみに読ませていただきました(笑)
お借りするかはまたご相談を('-'*)
って、ああ~私の間違いにつられてるつられてる(^^;;
記事修正しました、ごめんなさい(^^;
これだから自分が信用ならない(爆)
無題
照れずにマジメに感想文…というのはなかなか難しいですね。
せっかく補完してもらっても、いつもあんな感想文ですみません。(^^;)
無題
真面目は難しいですね。どうしてもボケるしσ(^^;
リョウちゃんシリアス顔が3分しか保たないの~とゆー気分。
えみこさんの感想文好きです。意想外からの切り口で目から鱗。
無題
いや(^^ゞ
私の方こそ確認もせずにごめんなさい~
新刊「沙漠の王」はフェンリルの話です。春頃に続きが出るそうなので
今からとても楽しみにしています。